幼稚園に通っていた時も、週1回の日本語の教室でも、夏休みや春休みの課題に「毎日お手伝いをしよう」とか、作文に「休み中、何かお手伝いをしましたか?」のようなものがありました。それをきっかけに、リサイクルゴミのゴミ捨てをJ君のお手伝いにしようと決めて実践していますが、自分から進んでするというわけではありません。しかし、私が洗濯物を畳んでいると、「僕も洗濯物をたたみたい」と言い、一緒に洗濯物を畳んでくれます。でも、私が洗濯物を畳んでいる姿を見たときだけ手伝うという感じで、これも自分から進んで行うというわけでもないです。「お手伝い」って何だろう、「お手伝いって『させる』ものなんだろうか?」とか考えていると、だんだん自分でも混乱してきて、結局今までどおり。

先日図書館で、坂本光司(著)「日本でいちばん大切にしたい会社」をタイトルに惹かれて借りて読みました。この本では、著者が会社を紹介しながら、経営哲学や社員が仕事をすることの意義や目的について読者に考えさせるような内容になっています。「お手伝い」が働くことの第一歩であるとすれば、仕事を与える方もしっかり考えて与えて、それに対応しないといけないと考えさせられました。

以下は著書からの引用です。

それ以来、障がい者を少しづつ採用するようになっていきましたが、…一つだけ分からないことがありました。どう考えても、会社で毎日働くよりも施設でゆっくりのんびり暮らした方が幸せなのではないかと思えたからです。…

そんなとき、ある法事の席で一緒になった禅寺のお坊さんにその疑問を訪ねてみたそうです。するとお坊さんは、「….幸福とは、1.人に愛されること、 2.人にほめられること、 3.人の役に立つこと、 4.人に必要とされること です。そのうちの 2.人にほめられることと、 3.人の役に立つこと、そして 4.人に必要とされること は、施設では得られないでしょう。この3つの幸福は、働くことによって得られるのです。」

お手伝いをすることで、2や3や4を感じてほしい、そのためには、どうしたらいいのか。ヒントを得られた気がするので、また考えていきたいと思います。

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