昨日、この本を読み終わりました。年末年始の行事があったり、インフルエンザで一週間ほど体調崩したりしましたので、読み終わるまでに時間がかかってしまいましたが、最後まで飽きずに読むことができました。
Amazonのレビューでも皆さんがコメントされておりますように、普段私達が接することのできない財界や政界の方々-数々のアメリカ大統領や政府高官、財界の重鎮の方の通訳を通して、通訳だからこそ知ることができた各々の性格や、会談の際のこぼれ話などをユーモアを交えて書かれています。 また、著者の経験を辿りながら、同時通訳という観点で、英語表現や英語学習の仕方、各国の文化や国民性の違いを述べられています。
なによりも、私はこの本を読んで、著書の言葉にとても勇気づけられ、嬉しくさえ感じました。私は、真剣に英語を勉強しだしたのは30歳を超えてからでした。それも、仕事で必要となり、英語学習を避けて通れなかったという経緯があります。ですので、アクセントが強く、相手から聞き返されることもしばしばで、コンプレックスを感じており、流暢でアクセントのない英語を話す方を、いつも羨ましく思っていました。
著者が「良い英語、上手なスピーチに触れ、それを引用すること、そして時にはユーモアを交えて話すことができる方が、流暢に話すこと以上に役に立つ。実際に訛りのきつい方でも、内容があり、表現に個性があれば、人は耳を傾けるんだ。」ということを、本の中でいろいろな事例をあげて説明されています。旦那さんがよく私に「多少のアクセントがあってもいいんだよ。あった方がいいくらいだよ。」と言ってくれるのですが、単なる慰めだと思っていました。でも、この本を読んで、旦那さんの本意をようやく理解できた気がします。
また、「相手国、文化を学ぶことの方に、自国のそれを輸出するのよりもエネルギーを向けるべきだ。」と述べている部分は、今現在、世界各地で起こっている事象を鑑みても、著者からの警鐘だったのかもしれないなと感じました。自分の英語学習だけでなく、ホームスクールで、これから地理や歴史を学習するにあたり、考えさせられる著書でした。