COVID-19で学校が休校となり、子供が自宅で一人で学習するという光景が珍しくなくなってきたかと思います。
息子は、Grade 1からずっとホームスクールですので、学校が休校中もいつもと変わらず、自宅で勉強しています。むしろ、オンラインのコンテンツが増え、それに関する多くの情報が交わされるようになって、以前より選択肢が増えたと感じています。
ホームスクールが認められているカナダではありますが、最近よく、どうやってホームスクールを行っているのか、教材は何を使っているのか、カリキュラムに合わせるにはどうしているのかなど聞かれることが多くなりました。これまでの経験をまとめるにもちょうどいい時期かと思いまして、しばらくお休みしていたこのブログを再開してみることにしました。
「息子はホームスクーラーです。」と言って一番多く聞かれるのは、「どうやってカリキュラムに合わせているのか。」です。私自身、ホームスクールを始めたころは、カリキュラムに合わせることを真っ先に考え、当時いろいろ調べました。
まず、日本では文部科学省が決めた学習指導要領があり、そこで各学年の学習内容や目標が設定されていいます。そして、それに準拠した教科書が選定されます。
北米(カナダ・アメリカ)では、学習内容は州単位で検討されますので、州によって各学年で学習する内容や目標が微妙に異なります。また、教科書検定というものはなく、民間の出版社が〇〇州準拠みたいな形で作って学校(学区)に販売しています。(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/gaiyou/990301c.htm )
私の息子は週末に日本語学校に通っているのですが、その学校は現地の公立校の校舎を借りて運営しています。先生の控室に立ち入る機会も多く、そこの共同のテーブルには、各出版社から送られてきたのであろうテキストブックや参考書のサンプルが山のように積まれている光景をよくみます。
また、先生の中にはテキストブックを使わず、手製のドキュメントで授業を進めるクラスもあると聞いたことがあります。
私も自分が住んでいるオンタリオ州のカリキュラムを読んで勉強しましたが、書かれている内容はかなり大雑把で、〇〇をマスターするというようなことはほとんどなかったと記憶しています。
そう考えると、州外或いは国外の大学に行かれる子供が多い中、必ずしも住んでいる州のカリキュラムに沿う必要はないのではないかと思い、今ではあまりカリキュラムを気にしなくなりました。学ぶ学年に違いはあれど、米国のカリキュラムでも、英国でも、他のカナダの州のカリキュラムに従って勉強しても、Elementary School、Middle School、High Schoolを卒業する時点で考えると、習得内容にほとんど違いはないと思います。ですので、〇歳用とかGrade 〇用とかの教材を使っていれば、どこの州のものでも国のものでも特に問題ないと私は思っています。
こう説明すると、「大学入学時に必要な履修科目が取得できないのでは?」と聞かれるのですが、(息子が大学に行くかどうかは別として)北米の多くの大学では、ホームスクール生に対する入学要件が設定されています。実際、知り合いのお子さんもホームスクール生で、学校にはほとんど通わなかったのですが、このホームスクール生枠を利用して、3つの大学から合格通知をもらっていました。
私は、カリキュラムに沿っているかどうかよりも、息子に合っている教材を見つける方が難しく、時間がかかりました。
日本の小学生の学習内容は、カナダのものよりも1年早いように思いますので、もし近く日本に帰国される予定があるのであれば、1学年上のものを選ぶようにすれば無難ではないかと思います。